東洋医学では、夜0時をはさんだ11時から1時にかけて、身体の中で陰と陽が入れ替わり(つまり活動から休息へモードチェンジ)この入れ替わりの後に体内で血液がつくられると考えられています。
血液が細胞に酸素や栄養分を運んで、あらゆる臓器や組織を動かしてくれているために私たちは生きています。この大切な血液をつくっている場所が骨の中心部にある骨髄です。ここに造血幹細胞という血をつ
くる細胞があり、骨髄の中で盛んに細胞分裂を行い、赤血球・白血球・血小板の三種の血球に成長します。骨髄は常に新しい血球が産生されるため、造血器とも呼ばれています。骨髄はおもに睡眠時に活発に働いて血球を産生します。そのため寝不足が続くと血球の産出が追いつかず、体は古い血液を使いまわすようになり、血液の質が下がっていくのです。睡眠不足→体調悪化→睡眠不足→病気。マイナスのスパイラルに入ってしまいます。睡眠は良質な血液をつくるうえでもとても重要な生命活動なのです。この点は西洋医学も東洋医学も同じ考え方ですね。「この時間に寝ているのは難しい」と言わず、なんとかこの時間には睡眠モードになっているように調整してみましょう。特に生活習慣病を指摘されている方は心がけてください。活動時間を確保して、余った時間に寝るのではなく、睡眠を確保することから毎日の予定を再設計することがこれから大事なことだと思います。以前にお話ししましたが、24時間あっても、仕事でパフォーマンスが上がる時間数はせいぜい2,3時間程度。20年前に比べて時間当たりに脳が処理する情報量は10倍とも20倍とも言われますので、みんなが情報過多シンドロームで脳は疲労しています。
また、東洋医学では「血液は腸で造られる」とする考えもあります。食べたものが腸で血液になり、身体中を巡って体細胞になるので、腸をきれいにしておくことで、血液の状態が良くなり、睡眠の質も良くな
るという考えです。この「腸をきれい」にするシンプルな方法は「寝る前3時間腹8分目」の習慣です。食べる内容にこだわると無理が出ますし続かなくなってしまうので、まずはこの「3時間8分目」から。両方
難しかったらどちらかだけで構いません。
そして、産まれた血液の循環(血流)を良くするために身体全体をくまなく動かしましょう。1週間に90分から120分。まとめてでも良いし、1日15分から20分程度に分けても構いません。外出が難しい時期な
ので、その場でストレッチでもOKです。何かしら身体全体を動かすようにしてください。作られた血液が脳をはじめとする臓器、筋肉、手足の先の皮膚まで全体に行き渡れば身体が整い、健康状態が必ず良くな
ります。血液が入れ替わるのに120日と言われますから、今から初めて4月頃。次の季の変わり目に備えて血活に取組ましょう。
「心身一如」という言葉があります。身体と心は最初から分けられないもの。何か心の悩みがあるとき、心だけどうにかしようと考えるよりまずは身体から整えることも有効です。体調が良ければ、当然行動的になり、気持ちも前向きになります。仕事や人間関係の悩みは消えないまでも、軽く小さくなるものです。心の悩みを心で解決するだけではなく、身体を整えることで心の悩みの解決を助ける。そんなふうにも考えてみてください。
現代は仕事も生活もいろいろなものが過剰になっています。取捨選択が重要です。
身体を整えるためには、不要な物を自分からなるべくそぎ落とし身軽にすること。仕事であれば「これは本当に必要なこと?」「これが本当にしたいこと?」。生活で言えば不要な物は捨てて身の回りをすっきり整理整頓。生活を整えることは身体と心を整えること。結果人生も整ってきます。
この時期、私たちは自分を見直す時間をもらっていました。身体を整え、これから来る時代を乗り越えていきましょう。
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