見事、侍ジャパンが14年ぶりの優勝を遂げて歓喜に酔いしれました。
WBCロスの方も多いのではないでしょうか。

かくいう私は、絵に描いたような野球少年でしたし、高校野球の監督を経験していたこともあり、連日何をしていても頭に侍ジャパンのことが離れませんでした。

決勝に先発した今永昇太投手（横浜DeNAベイスターズ）。彼が高校生（福岡県立北筑高等学校）の時、私は同じ福岡の高校で監督をしていたので、何度も対戦したことがあり、勝手に親心のようなものが芽生えていました。魂のこもった本当に素晴らしいピッチングでしたね。

7人の投手によるマシンガン継投で繋ぎ、最後は大谷翔平投手で締めくくる。アニメでも描けないような、もう言葉では表現できない展開で最高の結末。ゲームセットの瞬間は思わず男泣きし、感動で胸が熱くなりました。

このWBCワールドベースボールクラシックの日本代表は最年少20歳の高橋投手を筆頭に若い選手が活躍しました。平均年齢も27.3歳と史上最も若いチーム。いわゆるZ世代の選手が中心のチームでした。
最近の若いものは…とお嘆きの声を耳にすることは少なくありませんが、侍ジャパンはまさに最近の若者が大活躍したのです。

全7試合、どの試合も素晴らしかったのはいうまでもありません。いろいろな形でマスメディアにも取り上げられていますが、その中で私が特に注目した選手はやはり大谷選手です。大谷選手は、これまで誰も成し得なかった投手と打者の二刀流として大活躍していることは、みなさんご存じのことだと思います。野球のパフォーマンスもさることながら、大谷選手の精神面に私は注目していました。

先日MD.ネットから配信した動画、ご視聴いただけたでしょうか？
（まだの方は是非ご視聴ください。）
テーマは今注目の【レジリエンス】。
簡単に説明すると【レジリエンス】とは、逆境から立ち直る力のことです。もっとシンプルにいうならば『心の筋力』とも言えます。

かねてより私は大谷選手のこの【レジリエンス力】の高さには注目していましたが、

特に印象的だったのは、劇的なサヨナラ勝ちを収めたメキシコ戦後のインタビューコメントです。試合を観た方は興奮したことだと思います。

以下引用です。

インタビュアー
「最後に、（この中継を）見ている野球少年に一言お願いします。」

大谷選手
「本当に何回かチーム全体として折れかけてたと思うんですけど、最後まで諦めないという気持ちだけで繋いで繋いで、ああいう形（サヨナラ勝ち）になったと思うんで、みんな素晴らしかったと思います。」

試合展開は序盤から苦しい展開。７回にホームランで追いつくも、８回に再び勝ち越される状況で、もうダメかもと思ったかもしれませんし、コメントにもあるように心が折れかけていたのは間違いないでしょう。
野球をしていた方ならこの展開がいかに苦しいか理解できるでしょうし、試合を見ていた方も「ダメかも…」と思った方もいたことでしょう。
しかし、チーム一丸となり逆転を信じて戦い抜いた結果、サヨナラ勝ちを引き寄せることができました。一人でなんとかしようとするのではなく、仲間と乗り越える。これは【レジリエンス】が高い人の特徴です。トラブルや問題が起き、落ち込んだり、凹んだりした状況から、立ち直っていく中で仲間の存在は欠かすことができません。
大谷選手は素晴らしい才能を持ち、努力を惜しまない選手であることは言うまでもありませんが、そんな彼も、順風満帆の野球人生ということはなかったのです。
高校時代には肘の故障に苦しみ、プロ入り後も怪我のため試合に出れず思うようにプレーができない時期を度々経験しています。しかし、そうした困難を乗り越え、復活することに成功し今の大活躍があるのです。
困難や挫折に直面しても現状から逃げずに精神的に強く立ち向かい、チームメイトやコーチからのサポートを受け入れつつ壁を乗り越え、プレーの随所で高いレジリエンス力を発揮しています。
この【レジリエンス】は能力であり、誰しも高めていくことができます。
心が折れそうになっても踏ん張れる、落ち込んでも立ち直る…
【レジリエンス】は仕事で高いパフォーマンスを発揮する上でも必要ですし、現代の変化の時代を生き抜くカギとなりますし、若い世代の力を生かしていくキーワードになってきます。