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睡眠の質を向上させるには

「何時間眠ればいいのか」と、睡眠の適切な時間数を気にすることはあるかもしれませんが、

「一晩の睡眠で何がどのくらい回復するのか」という睡眠の質にも観察の目を向けてみましょう。

 

同じ時間数眠っていても、その質によって、発揮される睡眠の力に大きな差が出ます。

睡眠の質の指標なるのが、自律神経の働きです。

血圧、心拍数、呼吸数などの変化を観察してみると、

朝「疲れがとれた」と感じる理想の睡眠を、科学的に再現することができます。

 

例えば、8時間眠っていたとしても、睡眠の質が悪ければ、

朝起きたときに「だるい」「疲れがとれない」と感じます。

 

睡眠の質

 

 

夜間睡眠中には、血圧は低下し、心拍数、呼吸数は減少するはずです。

ところが、血圧も下がらず、心拍数、呼吸数も減らずに8時間眠ることもあります。

こうした状態は、夜間高血圧、と呼ばれます。

日中には特に血圧が高いわけではないので、自分が高血圧の傾向があることは気づきにくいですが、

「疲れがとれない」という人で24時間血圧計を使って持続的に血圧を測定すると、

発見されることがあります。

 

夜間高血圧では、心拍数や呼吸数も増加しています。

本来は、生体活動を減らすことで体への負担を減らし、

翌日にエネルギーを使うための準備をするはずが、

夜間にもエネルギーを消費してしまうので、疲れやすく、体の病気のリスクも高まってしまいます。

 

【眠る前30分でノルアドレナリンを減らす】

 

夜間高血圧を防ぎ、睡眠の質を向上させるために、簡単にできることがあります。

それは、眠る30分前に画面をオフすることです。

脳を覚醒させる物質の中に、ノルアドレナリンがあります。

 

ノルアドレナリンは、外敵の出現に対抗できる体をつくるために、

脳を覚醒させ、血圧、心拍数、呼吸数を高めます。

このノルアドレナリンには、1日の中で低下するリズムがあることが明らかになっています。

入眠30分前の時間帯から低下し、脳が眠るための体を準備しています。

 

ところが、画面を見ると、ノルアドレナリンが増加してしまいます。

画面上に出た刺激は、その刺激が楽しいものであっても、脳にとっては想定外の外敵の出現です。

眠る前にスマホで動画を観ていて、ノルアドレナリンが増えて脳が覚醒しても、

脳に溜まった睡眠物質などの作用により、覚醒を維持できなくなって眠ることがあります。

 

すると、前述の休まらない体のまま睡眠をとることになり、翌朝に「疲れた」と感じるのです。

まずは、就寝30分前に画面をオフして眠ってみて、翌朝の体の回復を観察してみましょう。

違いを感じることができたら、効率よく質の良い睡眠をとることに意識が向くはずです。

 

 

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